火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第70号
平成29年8月28日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月25日から8月28日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 昭和火口では、噴火を3回観測し、このうち2回が爆発的噴火でした。噴
煙が最高で1400mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が最大
で5合目(昭和火口より500mから800m)まで達しました。同火口で
は21日以降、ごく小規模な噴火が断続的に発生し、これに伴い火口付近に
大きな噴石が飛散しています。また、夜間には高感度の監視カメラで明瞭に
見える火映を観測しました。
 
 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。
 
 25日の夜間に実施した現地調査では、昭和火口でごく小規模な噴火が断
続的に発生し、これに伴い火口付近に大きな噴石が飛散するのを観測しまし
た。また、目視で明瞭に見える火映を観測しました。さらに、桜島島内の東
側の黒神町で大きな鳴動を観測しました。赤外熱映像による観測では、昭和
火口近傍及び南岳南東側山腹で、これまでと同様に熱異常域が観測されまし
たが、特段の変化は認められませんでした。

 火山性地震は、少ない状態で経過しています。23日頃から振幅の大きな
火山性微動が時々発生していましたが、25日以降は次第に減少しています
。
  
 8月25日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   8月25日        24回     9回     1回
     26日        46回    15回     1回
     27日        39回      4回     0回
     28日15時まで   17回     3回     0回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しており
、今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。