火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第69号
平成29年8月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月21日から8月25日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う爆発的噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。

 昭和火口では、爆発的噴火が15回発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石は最大で5合目(昭和火口より500mから800m)まで達しました
。同火口では21日以降、ごく小規模な噴火が断続的に発生し、これに伴い
火口付近に大きな噴石が飛散しています。また、夜間には高感度の監視カメ
ラで明瞭に見える火映を観測しました。
 
 南岳山頂火口では、噴火は観測されていません。
 
 23日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1900トン(前回8月16日1000トン)と増加しました。また
、桜島島内の東側の黒神地区で大きな鳴動を観測しました。24日に実施し
た聞き取り調査では、島外の垂水市、鹿屋市の一部の地区でも鳴動が確認さ
れています。このような鳴動は、気象条件等によっては、数十km離れた場
所でも聞こえることがあります。

 火山性地震は、少ない状態で経過しています。23日頃から振幅の大きな
火山性微動が時々発生しています。
  
 8月21日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
   8月21日         7回     0回     0回
     22日        29回     3回     0回
     23日        16回    17回     4回
     24日        31回    26回    10回
     25日15時まで    6回     5回     1回
 
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しており
、今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。