火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第81号
平成28年9月30日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 9月26日から9月30日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、噴火は観測されていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上がりました。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。9月27日に振幅の小さな継続
時間の短い火山性微動を1回観測しました。火山性微動を観測したのは、2
015年6月18日以来です。

 9月26日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   9月26日          4回
     27日          3回
     28日          7回
     29日          3回
     30日15時まで     0回

 9月7日から26日にかけて、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防
災研究所、屋久島町及び気象庁が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化
硫黄)の放出量は1日あたり、100から400トン(前回9月1日200
トン)と、2014年8月の噴火前よりはやや多い状態でした。

 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

 2015年5月29日と同程度の噴火の可能性は低くなっていますが、引
き続き噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10月3日(月)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>