火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第73号 平成28年9月9日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 9月5日から9月9日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 中岳第一火口では、噴火は観測されていません。 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上800mまで上がりました。 7日23時57分に、中岳第一火口から北西3km付近を震源とする火山 性地震が発生し、南阿蘇村中松で震度2を観測しました。火山性地震により 震度1以上を観測したのは、2016年1月20日(震度1)以来です。地 震の前後で、噴煙や地殻変動等に特段の変化は認められませんでした。 6日に実施した現地調査では、前回(1日)に引き続き、中岳第一火口内 に灰白色の湯だまり及びごく小規模な土砂噴出を確認しました。湯だまりの 量は中岳第一火口底の7割でした。赤外熱映像装置による観測では、湯だま り表面の最高温度は約70℃でした。 火山性微動の振幅は、やや大きな状態で経過しました。 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。 中岳第一火口では、火山性微動の振幅がやや大きく、火山ガス(二酸化硫 黄)の放出量が多い状態であり、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生 する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では降灰、風の影響を受ける小さな噴石及び火山ガスに注意してく ださい。 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。 <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>