火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第35号
平成28年8月29日16時00分 仙台管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
8月22日から29日15時までの吾妻山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山活動はやや活発な状態が続いています。

 遠望カメラの観測では、大穴火口からの噴気の高さの最高は30mでした
。

 今期間、火山性地震は6回発生しました。火山性微動は観測されませんで
した。
  
 浄土平の傾斜計(大穴火口の東南東約1km)の観測では、2014年7
月頃から西南西側(火口方向側)上がりの変動で推移した後、2015年7
月頃から停滞していましたが、9月頃から西側下がりの傾向となっています
。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山付近の膨張を示す
緩やかな変化がみられていましたが、2015年7月頃から停滞または縮み
の傾向となっています。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口及び周辺の噴気活動や地熱活動はやや活発な状態が続いているこ
とから、大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、
大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には
立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を
受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9月5日(月)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>