火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第60号
平成28年7月19日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月15日から7月19日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がりました。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていませ
ん。

 7月15日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   7月15日          0回
     16日          1回
     17日          2回
     18日          0回
     19日15時まで     1回

 地殻変動観測では、新岳火口を挟むGNSSの基線長が、2016年1月
頃から収縮に転じているとみられます。

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2014年8月の噴火前よりはやや
多い状態です。

 これらのことから、2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能
性はさらに低くなっていますが、引き続き噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく
ださい。

  次の火山の状況に関する解説情報は、22日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>