火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第46号
平成28年6月3日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>
 5月30日から6月3日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望カメラによる観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上
がっているのを確認しました。

 5月31日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測
では、前回(5月26日)及び前々回(3月11日)の観測と比較して、新
岳火口及び火口周辺の形状に特段の変化は認められませんでした。この期間
に実施した現地調査では、火口周辺の地形や噴煙及び熱異常域の状況に特段
の変化は見られませんでした。

 火山性地震は時々発生しています。火山性微動は観測されていません。

 5月30日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   5月30日          1回
     31日          0回
   6月 1日          0回
      2日          0回
      3日15時まで     0回

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっている
ものの、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に、及び新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲では火砕流に厳重
な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>