火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第38号
平成28年5月6日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>
 5月2日から5月6日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望カメラによる観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上300mまで上
がっているのを確認しました。

 5月2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1
日あたり100トン(前回は4月18日200トン)とやや少ない状態でし
た。
 また、火口周辺の地形や噴煙の状況に変化はみられませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動は観測されていません。

 5月2日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   5月2日          0回
     3日          0回
     4日          0回    
     5日          0回
     6日15時まで     2回

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっている
ものの、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に、及び新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲では火砕流に厳重
な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>