火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第34号
平成28年4月22日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>
 4月18日から22日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は観測され
ていません。

 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりました。

 15日(期間外)及び18日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防
災研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄
)の放出量は、1日あたり100トンから200トン(前回12日70トン
)とやや少ない状態でした。

 18日から22日にかけて実施した現地調査では、火口周辺の地形や噴気
等の状況に変化は見られませんでした。また、赤外熱映像装置による観測で
は、2015年3月頃から5月29日の噴火前に温度上昇が認められていた
新岳火口西側割れ目付近の熱異常域の温度は、引き続き低下した状態である
ことを確認しました。

 火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動は観測されていません。

 4月18日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回
数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   4月18日          1回
     19日          0回
     20日          0回
     21日          0回
     22日15時まで     0回

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっている
ものの、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に、及び新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲では火砕流に厳重
な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>