火山名 草津白根山 火山の状況に関する解説情報 第12号
平成28年3月18日16時00分 気象庁地震火山部

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 3月11日から3月18日15時までの草津白根山の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東にかけての斜面で熱活
動の活発な状態が続いています。また、東京工業大学によると、2015年
9月以降、北側噴気地帯で噴気活動が活発化しています。北側噴気地帯のガ
ス組成及び湯釜湖水の化学成分に、火山活動の活発化を示す変化が観測され
、その状態が継続しています。
 GNSS観測でみられていた湯釜付近の膨張を示すわずかな伸びの変化は
2015年11月頃より停滞しています。
 湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計では、湯釜付近浅部での膨張を
示す変動は、2015年11月頃から停滞傾向が認められます。
 2014年5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示すと考えられる全磁力
の変化は2014年7月以降停滞しています。
 湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が2014年3月上旬から
増加し、2014年8月下旬以降は概ね少ない状態で経過しています。今期
間も少ない状態で経過しています。

 火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。

             火山性地震
  3月11日         0回
    12日         0回
    13日         0回
    14日         2回
    15日         7回
    16日         0回
    17日         0回
    18日(15時まで)  1回
 
 今期間、火山性微動は観測されていません。
 遠望カメラによる噴気などの状況等他のデータには特段の変化はみられて
いません。

2.防災上の警戒事項等
 湯釜火口から概ね1キロメートルの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従っ
て危険な地域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側で火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留する事がありますので、注意してくださ
い。

  次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>