火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第3号
平成28年1月8日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>
 1月4日から8日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳では、2015年6月19日のごく小規模な噴火以降、噴火は観測さ
れていません。

 遠望カメラによる観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上
がっているのを確認しました。

 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁
が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2015年12
月21日(期間外)に1日あたり900トン(速報値)とやや多い状態でし
た(2015年12月上旬から中旬:100から500トン)。

 2日から8日にかけて実施した現地調査では、火口周辺の地形や噴気等の
状況に変化は見られませんでした。また、赤外熱映像装置による観測では、
2015年3月頃から5月29日の噴火前に温度上昇が認められていた新岳
火口西側割れ目付近の熱異常域の温度は、引き続き低下した状態であること
を確認しました。

 火山性地震は、少ない状態で経過しました。
 火山性微動は観測されていません。

 1月4日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   1月4日          1回
     5日          1回
     6日          0回
     7日          0回
     8日15時まで     0回

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっている
ものの、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲
及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2.
5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、12日(火)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>