火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第62号
平成27年12月28日16時00分 仙台管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
12月21日から28日15時までの吾妻山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況

 火山活動はやや活発な状態が続いています。

 今期間、火山性地震、火山性微動は観測されませんでした。

 遠望カメラの観測では、大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いてい
ます。今期間、大穴火口からの噴気の高さは最高で70mでした。
 これまでの現地観測では、大穴火口及びその周辺の拡大がみられている地
熱域が引き続き確認されており、熱活動はやや活発な状態が続いています。
  
 傾斜計の観測では、2014年4月以降緩やかな西側(火口方向側)上が
りの変動で推移し2015年7月頃から停滞していましたが、9月後半頃か
ら西側下がりの傾向となっています。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測点(大
穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられていました
が、2015年6月頃から停滞しています。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、平成28年1月4日(月)16時頃
に発表の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>