火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第332号
平成27年11月4日16時10分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>

1.火山活動の状況
(10月29日から11月4日15時)
 新岳では、6月19日のごく小規模な噴火以降、噴火は観測されていませ
ん。

 遠望カメラによる観測では、昨日(3日)は白色の噴煙が最高で火口縁上
100mまで上がっているのを確認しました。本日(4日)は白色の噴煙が
最高で火口縁上100mまで上がっているのを確認しました。

 昨日、九州地方整備局の協力により気象庁機動調査班(JMA−MOT)
が実施した上空からの観測では、新岳火口及び火口周辺の形状に特段の変化
は認められませんでした。新岳火口内に熱異常域を確認しました。また、新
岳火口西側の割れ目付近及び北側と南側の火口縁に引き続き熱異常域を確認
しました。

 火山性地震は、昨日は2回発生し、本日は15時まで観測されていません
。
 火山性微動は観測されていません。

 10月29日以降の火山性地震の発生状況は以下の通りです。なお、地震
回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   10月29日          0回
      30日          2回
      31日          0回
   11月 1日          0回
       2日          0回
       3日          2回
       4日15時まで     0回

 5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものの、引
き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。

 火砕流の流下による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地
域(前田地区、向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲
、及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2
.5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5日(木)16時頃に発表の予定で
す。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>