火山名  草津白根山  火山の状況に関する解説情報  第46号
平成27年10月30日16時00分  気象庁地震火山部

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月23日から10月30日15時までの草津白根山の活動状況)

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 GNSS観測データでみられていた湯釜付近の膨張を示すわずかな伸びの
変化は4月頃より停滞しています。
 湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計では、湯釜付近浅部での膨張を
示す変動が鈍化しながらも継続しています。
 全磁力観測では、昨年(2014年)5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇
を示す変化は2014年7月以降停滞しています。
 湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東にあたる斜面で熱活動
の活発な状態が続いています。また、東京工業大学によると、2015年9
月以降、北側噴気地帯で噴気活動が活発化しています。北側噴気地帯のガス
組成及び湯釜湖水の化学成分の活動活発化を示す変化が継続しています。

 湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が2014年3月上旬から
増加し、2015年8月下旬以降はやや少ない状態で経過しています。

 火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。

             火山性地震
 10月23日         0回
 10月24日         0回
 10月25日         0回
 10月26日         3回
 10月27日         3回
 10月28日         2回
 10月29日         2回
 10月30日(15時まで)  0回
 
 今期間、火山性微動は観測されていません。
 遠望カメラによる噴気などの状況等他のデータには特段の変化はみられて
いません。

2.防災上の警戒事項等
 湯釜火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側で火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留する事がありますので、注意してくださ
い。

  次の火山の状況に関する解説情報は、11月6日(金)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>