火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第318号 平成27年10月21日18時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続> 1.火山活動の状況 第133回火山噴火予知連絡会見解 本日(21日)、第133回火山噴火予知連絡会が開催され、口永良部島 の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。 口永良部島の火山活動に関する検討結果 口永良部島では、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっ ているものの、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。 口永良部島では6月18日12時17分頃に新岳火口で噴火が発生し、新 岳火口の東約9kmの海上で小さな噴石の降下が確認されましたが、新たな 火砕流の痕跡や新岳火口の状況の大きな変化はみられませんでした。この噴 火の規模は5月29日の噴火を上回るものではなかったと考えられます。そ の後6月19日の噴火以降、噴火は発生していません。 1日あたりの二酸化硫黄放出量は、6月は800から1700トンでした が、次第に減少し、9月には概ね100から200トンとやや少ない状態と なりました。また、5月29日の噴火以降火映は観測されておらず、9月の 現地調査では、新岳火口の西側割れ目付近の熱異常域の温度の低下が認めら れています。 火山性地震は、8月上旬までは時々多くなりましたが、その後少なくなり ました。地殻変動観測で3月頃までにみられていた島の隆起を示す変動はそ の後停滞しており、マグマの上昇を示すような顕著な変化は認められません 。 以上のように火山活動が高まる傾向はみられないことから、5月29日と 同程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものと考えられます。しか しながら、5月29日の噴火前にみられた島の隆起が維持されていることか ら、引き続き噴火の可能性があり、火砕流にも警戒が必要と考えられます。 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲 、及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2 .5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。風下側 では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注 意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。 2.防災上の警戒事項等 噴火に伴う大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲 、及び火砕流の流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2 .5kmの範囲では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してく ださい。 <噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>