火山名  雌阿寒岳  火山の状況に関する解説情報  第46号
平成27年10月16日16時00分  札幌管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 雌阿寒岳では、火山活動が活発な状態で経過しています。

 ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、身体には感じない程
度の微小な火山性地震は、12日に一時的に増加しました。12日以外は1
日あたり10回程度以下で経過しましたが、2015年4月中旬より前の活
動と比べて依然としてやや多い状態です。
 また、12日19時00分頃に振幅が小さく継続時間の短い火山性微動を
観測しましたが、微動発生の前後で、噴煙の様子や地殻変動のデータに特段
の変化はありませんでした。雌阿寒岳で火山性微動が観測されたのは201
5年7月3日以来です。

 全磁力連続観測では、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下における熱
活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。

 10月12日から本日(16日)にかけて、ポンマチネシリ96-1火口
の噴煙の高さは火口縁上300m以下で経過し、特段の変化は認められませ
ん。

 火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値)は以下のとおりです。

                火山性地震    火山性微動
10月10日            4回       0回
   11日            8回       0回
   12日           29回       1回
   13日            6回       0回
   14日            5回       0回
   15日            2回       0回
   16日(15時まで)     7回       0回

2.防災上の警戒事項等
 ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾
道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意
してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、19日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>