火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第72号
平成27年9月11日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (9月7日から11日15時)
 阿蘇山では、10日および11日にごく小規模な噴火が発生し、噴煙が最
高で火口縁上500mまで上がり、南から南西の方向にかけて流れました。
噴火の発生は3日以来です。

 11日に実施した現地調査では、141火孔から灰白色の噴煙が噴出して
いるのを確認しました。また、141火孔内の湯だまり内にごく小規模な土
砂噴出を確認しました。

 火山性微動の振幅は概ね小さな状態で経過しています。孤立型微動は、9
日までは多い状態で経過し、その後もやや多い状態で経過しています。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。

 9月7日以降の孤立型微動・火山性地震の発生状況は以下のとおりです。
なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

             孤立型微動 火山性地震
 9月 7日        439回  135回
    8日        843回  167回
    9日        362回  143回
   10日        122回   70回
   11日(15時まで)  97回   34回

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口では、活発な火山活動が続いていることから、中岳第一火口
から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に
警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石が1kmを超えて降る
ため、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石にも注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、14日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>