火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第82号 平成27年8月21日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(本 文)** <噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続> 1.火山活動の状況 火山噴火予知連絡会拡大幹事会見解 本日(21日)、火山噴火予知連絡会拡大幹事会が開催され、桜島の火山 活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。 桜島の火山活動に関する検討結果 桜島では、現時点では、規模の大きな噴火が発生する可能性は8月15日 時点に比べて低下していますが、今後の活動の変化を注意深く監視する必要 があります。 桜島では8月15日から16日にかけて、南岳直下を震源とする火山性地 震の活発な活動と、山体の膨張を示す急激な地殻変動が観測されました。こ れらの活動は、南岳直下の海面下1から3kmを中心とする領域にマグマが ダイク状に貫入して、圧力が増加したことにより発生していると考えられま す。干渉SARとGNSSを用いた解析では、地下の体積膨張量は約200 万立方メートルと見積もられています。 これまでのところ、今回貫入したマグマがさらに火口近くまで上昇してい ることを示す兆候はみられていません。現時点では、規模の大きな噴火が発 生する可能性は8月15日時点に比べて低下していると考えられます。再び マグマ貫入がある場合などには、桜島の火山活動の活発化は避けられないも のとみられ、引き続き火山活動の変化を注意深く監視していく必要がありま す。 2.防災上の警戒事項等 昭和火口及び南岳山頂火口から3km以内の有村町及び古里町では、噴火 に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に厳重な警戒(避難準備等 の対応)をしてください。 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意して ください。降雨時には土石流に注意してください。 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ るため注意してください。 <噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続>