火山名  草津白根山  火山の状況に関する解説情報  第29号
平成27年7月3日16時00分  気象庁地震火山部

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(6月26日から7月3日15時までの草津白根山の活動状況)

 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。
 GNSS観測データでみられていた湯釜付近の膨張を示すわずかな伸びの
変化は4月頃より停滞しています。
 湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計では、湯釜付近浅部での膨張を
示す変動が継続しています。
 全磁力観測では、昨年(2014年)5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇
を示す変化は7月以降停滞しています。

 湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が2014年3月上旬から
増加し、8月20日以降はやや少ない状態で経過しています。2015年1
月以降は一時的な増加もみられています。

 火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。

             火山性地震
  6月26日         0回
  6月27日         0回
  6月28日         4回
  6月29日         4回
  6月30日         1回
  7月 1日         1回
  7月 2日         0回
  7月 3日(15時まで)  1回
 
 6月28日に振幅が小さく継続時間が約2分の火山性微動を観測しました
。草津白根山で火山性微動が観測されたのは2013年1月1日以来です。
 遠望カメラによる噴気などの状況等他のデータには特段の変化はみられて
いません。

2.防災上の警戒事項等
 湯釜火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側で火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留する事がありますので、注意してくださ
い。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>