火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第48号
平成27年5月30日19時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>

1.火山活動の状況
火山噴火予知連絡会拡大幹事会見解
 本日(30日)、火山噴火予知連絡会拡大幹事会が開催され、口永良部島
の火山活動について検討を行い、結果を以下のとおり取りまとめました。

 口永良部島の火山活動に関する検討結果

 口永良部島では、5月29日09時59分に火砕流を伴う爆発的噴火が発
生しました。この噴火はマグマ水蒸気噴火であったと考えられます。今後も
同程度の噴火が発生する可能性があります。

 口永良部島では、5月29日09時59分に爆発的噴火が発生しました。
噴煙が火口縁上9000m以上まで上がって東南東に流れ、大きな噴石が火
口周辺に飛散しました。火砕流が北西側(向江浜地区)の海岸まで達しまし
た。今回の噴火は前回の2014年8月3日の噴火を超える規模と考えられ
ます。
 この噴火に伴い、火山性微動と山頂側が沈降する傾斜変化が観測されまし
た。
 火山灰には新しいマグマと考えられる溶岩片が含まれることから、今回の
噴火はマグマ水蒸気噴火であったと考えられます。

 2014年8月3日の噴火以降、火山活動が活発化した状況が継続し、特
に火山ガスや地殻変動観測から、爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火に移
行する可能性も予想された中で、5月23日に口永良部島で震度3を観測す
る地震が直下で発生し、その後、今回の爆発的な噴火が発生しました。
 今後も今回と同程度の規模の噴火の可能性があるため、厳重な警戒が必要
です。
 今後の火山活動の推移を把握するために、地震、地殻変動、火山ガス等に
ついて、注意深く監視するため観測を強化する必要があります。

 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してくださ
い。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。
また、降雨時には土石流の可能性がありますので注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 大きな噴石の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地域では、厳重な
警戒(避難等の対応)をしてください。
 屋久島町の避難等の指示に従ってください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

<噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)が継続>