火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第30号
平成27年5月18日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(5月11日から5月18日15時までの吾妻山の活動状況)

 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。

 火口カメラ(東北地方整備局)による観測では、2015年1月以降に確
認された、一切経山(いっさいきょうざん)南山腹の大穴火口外の噴気は引
き続きみられています。
 大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いています。

 傾斜計の観測では、2014年4月頃からの緩やかな西側(火口方向側)
上がりの変動が続いています。
 GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測点(大
穴火口の北約500m)が関係する基線で変化がみられており、一切経山付
近の膨張を示唆すると考えられます。
 
 大穴火口付近直下を震源とする火山性地震の発生回数は、5月3日から6
日にかけて一時的に多い状態となりましたが、5月7日以降は概ね少ない状
態で推移しています。

 5月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を含む)は、
以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   5月 1日から10日     183回        1回
     11日           3回        0回
     12日           1回        0回
     13日           0回        0回
     14日           0回        0回
     15日           4回        0回
     16日           8回        0回
     17日           2回        0回
     18日(15時まで)    0回        0回

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火
口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入
らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける
小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5月25日(月)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>