火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第41号
平成27年5月15日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(5月11日から15日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が22回発生しました。13日21時04分の
爆発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が3合目(昭和火口より
1300から1800m)まで達しました。また、13日22時00分及び
14日04時16分の爆発的噴火では、やや多量の噴煙が火口縁上3500
mまで上がりました。
 同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を11日に観測しま
した。
 
 南岳山頂火口では、12日に噴煙の高さが200m程度のごく小規模な噴
火を観測しました。南岳山頂火口で噴火を観測したのは2014年11月7
日以来です。

 13日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり400
トン(前回1日、2300トン)とやや少ない状態でした。また、14日の
現地調査では、鹿児島市黒神町付近で13日21時04分の爆発に伴って落
下したと推定される最大約2cmの小さな噴石と、道路の白線が見えにくく
なる程度のやや多量の降灰を確認しました。

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が解消されると、2012年7月24日及び2013年8月18
日以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があります。今後の
火山活動に注意してください。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。
  
 5月11日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。 
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 5月11日         22回    11回     0回
 5月12日         49回    13回    12回
 5月13日         42回    16回     7回
 5月14日         30回     9回     3回
 5月15日(15時まで)  27回    17回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、18日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>