火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第35号
平成27年4月27日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (4月24日から27日15時)
 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。
 噴火は発生しませんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3
日の噴火前に比べて多い状態が継続しており、白色の噴煙が火口縁上600
mまで上がりました。
 また、同火口では、夜間に高感度カメラで火映を時々観測しました。

 火山性地震を6回観測しました。火山性微動は観測されませんでした。

 24日から27日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地
調査では、新岳火口からの活発な噴煙や同火口の西側割れ目付近からの噴気
を確認しました。新岳火口西側部分の熱異常域は引き続き認められました。

 25日と26日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所及び
屋久島町が実施した観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり900トン
から1500トン(前回22日2600トン)と多い状態でした。

 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線
長の一部でわずかな伸びの傾向が認められます。

 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火
や規模の大きな噴火に移行する可能性があります。

 4月24日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお
りです。

               火山性地震    火山性微動
   4月24日          1回       0回
   4月25日          1回       0回
   4月26日          4回       0回
   4月27日(15時まで)   0回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、5月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>