火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第33号
平成27年4月20日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (4月17日から20日15時)
 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。
 噴火は発生しませんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3
日の噴火前に比べて多い状態が継続しており、白色の噴煙が火口縁上300
mまで上がりました。
 また、新岳火口では17日から18日にかけて、夜間に高感度カメラで火
映を観測しました。

 火山性地震を3回観測しました。火山性微動は観測されませんでした。

 17日から20日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地
調査では、新岳火口からの活発な噴煙や同火口の西側割れ目付近からの噴気
を確認しました。新岳火口西側部分の熱異常域は引き続き認められました。
風下側ではっきり感じる程度の臭気が認められました。

 14日(期間外)と17日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災
研究所及び屋久島町が実施した観測と、18日に福岡管区気象台が実施した
現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1000トン〜2600ト
ンと多い状態でした。

 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線
長の一部でわずかな伸びの傾向が認められます。

 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火
や規模の大きな噴火に移行する可能性があります。

 4月17日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお
りです。

               火山性地震    火山性微動
   4月17日          2回       0回
   4月18日          1回       0回
   4月19日          0回       0回
   4月20日(15時まで)   0回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、24日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>