火山名  口永良部島  火山の状況に関する解説情報  第27号
平成27年3月30日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
 (3月27日から30日15時)
 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。
 白色の噴煙が最高で火口縁上1000mまで上がりました。噴火は発生し
ませんでしたが、新岳火口からの噴煙量は2014年8月3日の噴火前に比
べて多い状態が継続しています。

 27日から30日に実施した地上からの機動観測では、新岳火口からの活
発な噴煙や、同火口の西側割れ目付近からの噴気を引き続き確認しました。
 また、新岳火口西側部分の熱異常域で温度の高まりを引き続き確認しまし
たが、その他特段の変化は認められませんでした。

 また、新岳火口では27日から30日に夜間に高感度カメラで火映を観測
しました。
 
 27日に福岡管区気象台が実施した現地調査及び、29日に、東京大学大
学院理学系研究科、京都大学防災研究所及び屋久島町が実施した観測では、
二酸化硫黄の放出量は1日あたり1000から1300トン(前回25日1
300トン)と多い状態でした。

 GNSS連続観測では、2014年12月頃から山麓の観測点による基線
長の一部でわずかな伸びの傾向が認められます。

 以上のように火山活動の高まりがみられており、今後、爆発力が強い噴火
や規模の大きな噴火に移行する可能性があります。

 3月27日からの火山性地震、火山性微動の回数(速報値)は以下のとお
りです。

               火山性地震    火山性微動
   3月27日          5回       0回
   3月28日          2回       0回
   3月29日          6回       0回
   3月30日(15時まで)   2回       0回

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石に警戒してください。
 向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流
に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、4月3日(金)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>