火山名  草津白根山  火山の状況に関する解説情報  第11号
平成27年2月27日16時00分  気象庁地震火山部

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月20日から2月27日15時までの草津白根山の活動状況)

 火山活動の活発化を示すデータが引き続き観測されています。
 GNSS観測データでは、湯釜付近の膨張を示すわずかな伸びの変化が、
継続しています。また、湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計では、湯
釜付近浅部での膨張を示す変動が継続しています。
 全磁力観測では、昨年(2014年)5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇
を示す変化は7月以降停滞しています。

 昨年(2014年)3月上旬から増加していた火山性地震は消長を繰り返
しながら多い状態が継続しました。8月20日以降はやや少ない状態で経過
していますが、23日から24日にかけて一時的に増加しました。
 火山性地震の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです。

             火山性地震
  2月20日         5回
  2月21日         2回
  2月22日         0回
  2月23日        69回
  2月24日        13回
  2月25日         4回
  2月26日         3回
  2月27日(15時まで)  0回
 
 火山性微動は観測されていません。
 遠望カメラによる噴気などの状況等他のデータには特段の変化はみられて
いません。

2.防災上の警戒事項等
 湯釜火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側で火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれがあ
るため注意してください。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留する事がありますので、注意してくださ
い。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>