火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第18号
平成27年2月23日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動は引き続きやや活発な状況で推移しています。

 今期間、火山性地震はやや多い状況で経過しました。震源はこれまでと同
様に大穴火口付近直下のごく浅いところと推定されます。

 傾斜計では、2014年4月頃からの長期的な西側(火口方向側)上がり
の変動が継続しています。
 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測
点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられてお
り、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

 地震は2014年12月上旬から2015年1月中旬にかけて多い状態と
なりましたが、その後は概ねやや多い状態で経過しています。
 2月15日以降、火山性微動は観測されていません。
 平成27年2月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   2月 1日から16日     79回        1回
     17日           2回        0回
     18日           5回        0回
     19日           3回        0回
     20日           3回        0回
     21日           0回        0回
     22日           2回        0回
     23日(15時まで)    2回        0回

 火口カメラ(東北地方整備局整備)と遠望カメラでは、火口とその付近の
噴気の状況に変化は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、3月2日(月)16時00分頃に発
表の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>