火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第16号
平成27年2月14日13時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動は引き続きやや活発な状況で推移しています。

 2月14日03時15分頃火山性微動が発生しました。微動の継続時間は
約8分50秒で、最大振幅は1.7μm/sと、これまでに吾妻山でみられ
た微動と同じ程度のものでした。微動が観測されたのは、2015年1月2
8日以来です。
 微動発生前後で地震活動に変化はみられていません。火山性地震は、20
14年12月以降は増減を繰り返しながらも全体としては多い状態で推移し
ています。震源は大穴火口付近直下のごく浅いところと推定され、これまで
と変わりはありません。

 火山性微動の発生に伴って、傾斜計では一時的に西側(火口方向側)上が
りの変動がみられました。2014年4月頃からの長期的な緩やかな西側(
火口方向側)上がりの変動は継続しています。

 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測
点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられてお
り、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

 平成27年2月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
    2月1日から 8日     39回        0回
      9日           5回        0回
     10日           1回        0回
     11日           9回        0回
     12日           9回        0回
     13日           5回        0回
     14日(12時まで)    3回        1回

 大穴火口付近は天気が悪く、火口カメラ(東北地方整備局整備)および遠
望カメラでは火口とその付近の噴気の状況を確認できません。
 空振計では、異常な記録は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>