火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第14号
平成27年2月13日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(2月9日から2月13日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が36回発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石が最大4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
また、同火口では、9日から11日にかけて夜間に高感度カメラで明瞭に見
える火映を観測しました。
 
 9日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり2800
トン(前回1月16日、2300トン)と多い状態でした。 

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月1日頃から山体の膨
張と考えられる変化が継続しています。
 この膨張が一度に解消されると、2012年7月24日及び2013年8
月18日と同規模もしくはそれ以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生す
る可能性があります。
 なお、2月10日に第十管区海上保安本部が行った上空からの観測では、
昭和火口内に溶岩の蓄積が認められました。2011年5月31日および7
月11日にも気象台が同様の現象を観測しています。
 引き続き活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、火山活動の推
移に注意してください。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。
 
 2月9日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 2月 9日         16回     9回     3回
 2月10日         16回     7回     6回
 2月11日         15回    21回     5回
 2月12日         46回    20回    15回
 2月13日(15時まで)  19回     8回     7回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、16日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>