火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第15号
平成27年2月9日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動は引き続きやや活発な状況で推移しています。

 火山性地震は8日に15回と一時的に多い状況となりました。震源は大穴
火口付近直下のごく浅いところと推定され、これまでと変わりはありません
。
 また、地震は2014年12月上旬から2015年1月中旬にかけて多い
状態となりましたが、その後は、概ねやや多い状態で経過しています。
 1月29日以降、火山性微動は観測されていません。

 傾斜計では、2014年4月頃からの長期的な西側(火口方向側)上がり
の変動が継続していますが、1月26日以降はその変化率が大きくなってい
ます。
 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測
点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられてお
り、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

 平成27年1月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   1月 1日から31日    744回        1回
   2月 1日から 2日      3回        0回
      3日           3回        0回
      4日           1回        0回
      5日           7回        0回
      6日           4回        0回
      7日           6回        0回
      8日          15回        0回
      9日(15時まで)    4回        0回

 遠望カメラによる大穴火口からの噴気は、最大200mとやや活発な状態
が続いています。火口カメラ(東北地方整備局整備)では、5日にみられた
大穴火口北側火口壁からの弱い噴気が7日にも確認されました。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、16日(月)16時00分頃に発表
の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>