火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第14号
平成27年2月6日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動は引き続きやや活発な状況で推移しています。

 今期間、火山性地震は多い状態で経過しています。地震は2014年12
月以降、増減を繰り返しながらも、全体としては多い状態で推移しています
。
 震源は大穴火口付近直下のごく浅いところと推定され、これまでと変わり
はありません。
 1月29日以降、火山性微動は観測されていません。

 傾斜計では、2014年4月頃からの長期的な緩やかな西側(火口方向側
)上がりの変動が継続しています。
 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測
点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられてお
り、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

 平成27年1月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   1月 1日から30日    741回        1回
          31日      3回        0回
   2月 1日           1回        0回
      2日           2回        0回
      3日           3回        0回
      4日           1回        0回
      5日           7回        0回
      6日(15時まで)    3回        0回

 火口カメラ(東北地方整備局整備)では、5日に大穴火口噴気孔の北東側
地熱域からの弱い噴気を確認しました。遠望カメラによる大穴火口からの噴
気は、最大100mとやや活発な状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時00分頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>