火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第13号
平成27年2月2日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動は引き続きやや活発な状況で推移しています。

 今期間、火山性地震は多い状態で経過しました。地震は2014年12月
以降、増減を繰り返しながらも、全体としては多い状態で推移しています。
 震源は大穴火口付近直下のごく浅いところと推定され、これまでと変わり
はありません。
 1月29日以降、火山性微動は観測されていません。

 傾斜計では、2014年4月頃からの長期的な緩やかな西側(火口方向側
)上がりの変動が継続しています。
 また、GNSS連続観測では、2014年9月頃から一切経山南山腹観測
点(大穴火口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられてお
り、一切経山付近の膨張を示唆していると考えられます。

 平成27年1月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
   1月 1日から26日    722回        0回
     27日           1回        0回
     28日           3回        1回
     29日          10回        0回
     30日           5回        0回
     31日           3回        0回
   2月 1日           1回        0回
      2日(15時まで)    2回        0回

 火口カメラでは、火口とその付近の噴気の状況に変化は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時00分頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>