火山名  吾妻山  火山の状況に関する解説情報  第7号
平成27年1月16日16時00分  仙台管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
 火山活動はやや活発な状況で推移しています。

 14日に急増した火山性地震は15日以降減少しました。地震は消長を繰
り返しながらも増加傾向となっています。震源は大穴火口付近直下のごく浅
いところと推定され、これまでと変わりはありません。

 傾斜計では、2014年4月頃からの長期的な緩やかな西側(火口方向)
上がりの変動が継続しています。
 また、GNSS連続観測では、9月頃から一切経山南山腹観測点(大穴火
口の北約500m)が関係する基線で緩やかな変化がみられており、一切経
山付近の膨張を示唆している可能性が考えられます。

 これらのことから吾妻山の火山活動は高まった状態となっており、今後、
状況によっては小規模な噴火が発生する可能性があります。

 平成27年1月1日からの火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値を
含む)は、以下のとおりです。

                火山性地震     火山性微動
    1月1日から9日     291回        0回
     10日          62回        0回
     11日          39回        0回
     12日          59回        0回
     13日          19回        0回
     14日         193回        0回
     15日          13回        0回
     16日(15時まで)   10回        0回

 平成26年12月13日以降、火山性微動は観測されていません。

 火口カメラ及び遠望カメラでは、火口とその付近の噴気の状況に変化は認
められません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね500mの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な
地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風
の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、19日(月)16時00分頃に発表
の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>