火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第5号
平成27年1月16日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(1月13日から1月16日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が4回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が最大4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。本
日(16日)実施した現地調査では、桜島島内の鹿児島市有村町付近(昭和
火口から南側約3km)で、15日23時02分の爆発的噴火に伴って落下
したと推定される最大約2cmの小さな噴石(火山れき)を確認しました。

 同火口では、期間を通して夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を観測
しました。 

 昨日(15日)に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あた
り5000トン(前回1月7日、3600トン)と非常に多い状態でした。
桜島で5000トン以上の二酸化硫黄が観測されたのは、2012年10月
29日(5700トン)以来です。

 本日03時40分過ぎから昭和火口では、ごく小規模な噴火が連続的に発
生しており周辺の一部地域では鳴動が確認されています。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、1日頃から山体の膨張と
考えられる変化が継続しています。
 この膨張が一度に解消されると、2012年7月24日及び2013年8
月18日と同規模もしくはそれ以上の多量の火山灰を噴出する噴火が発生す
る可能性があります。今後の火山活動に注意してください。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。
 
 1月13日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 1月13日         30回     9回     0回
 1月14日         10回     1回     1回
 1月15日         18回     6回     3回
 1月16日(15時まで)  12回     9回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、19日(月)16時頃に発表の予定
です。

 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>