火山名  阿蘇山  火山の状況に関する解説情報  第44号
平成26年10月31日16時00分  福岡管区気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>

1.火山活動の状況
(10月27日から10月31日15時)
 阿蘇山では、噴火は発生しませんでした。

 遠望観測では、白色の噴煙が火口縁上800mまで上がりました。
 27日及び29日に現地調査を実施しました。中岳第一火口中央部噴気孔
の温度は約600℃と高い状態が継続していました。また、南側火口壁付近
の温度も高い状態が継続していました。
 二酸化硫黄の放出量は1日あたり2600トン(前回21日1300トン
)と多い状態でした。
 孤立型微動及び火山性地震は多い状態で経過しています。また、火山性微
動の振幅が時々大きくなりました。
 中岳第一火口では、夜間に遠望カメラ(高感度カメラ)で確認できる程度
の火映を、火口カメラ(阿蘇火山博物館設置)で夜間に火口内で火炎を期間
を通して観測しました。
 地殻変動観測では、特段の変化は認められません。

 10月27日からの孤立型微動、火山性地震の回数(速報値)は以下のと
おりです。

                孤立型微動    火山性地震
  10月27日                1165回      19回
  10月28日         959回      42回
  10月29日          727回      45回
  10月30日         831回      69回
  10月31日(15時まで)  617回      66回

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがある
ため注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、11月4日(火)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>