火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第79号
平成26年9月29日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(9月26日から9月29日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が12回発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。また
、28日の噴火では、多量の噴煙が火口縁上3000mまで上がりました。
大隅河川国道事務所の有村観測坑道および京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計および伸縮計では、21日頃から山体の膨
張と考えられるわずかな変化が継続しています。今後も同程度の噴火が発生
する可能性があり、今後の火山活動に注意してください。

 なお、昭和火口では、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映
を26日から27日にかけて観測しました。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 25日(期間外)に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あ
たり1200トン(前回8月27日、1700トン)とやや多い状態でした
。

 9月26日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  9月26日        12回     5回     2回
  9月27日        27回    23回     9回
  9月28日        23回    24回     1回
  9月29日(15時まで)  6回    12回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10月3日(金)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>