火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第22号
平成26年3月17日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。

 2月27日頃から、大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災
研究所のハルタ山観測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計で、山体の
膨張と考えられるわずかな変化が見られるようになり、その後、それ以前と
比較して昭和火口における噴火活動がやや活発化しました。一方、南岳山頂
火口では、噴火は発生しませんでした。

 3月9日頃からは、傾斜計及び伸縮計でみられていた山体の膨張と考えら
れる変化は収縮し、現在は停滞しています。このことから、多量の噴煙を伴
う噴火が発生する可能性は低くなったと考えられますが、桜島では今後も活
発な火山活動が継続すると予想されますので、引き続き警戒してください。

(3月14日から3月17日15時) 
 昭和火口では、爆発的噴火が5回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
 また、同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を14日に観
測しました。
 
 火山性地震は15日に一時的に増加しましたが、それ以外は少ない状態で
経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 3月14日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月14日        23回     4回     0回
  3月15日        53回     3回     0回
  3月16日        25回     2回     4回  
  3月17日(15時まで)  7回     0回     1回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、3月20日(木)16時頃に発表の
予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>