火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第19号
平成26年3月7日16時05分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(3月3日から3月7日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、2月27日頃から山体の
膨張と考えられるわずかな変化が継続しています。

 2012年7月24日の南岳山頂火口の噴火の前にも同様の変化がみられ
ており、今回も多量の噴煙を噴出する噴火が発生する可能性があります。
 
 昭和火口では、爆発的噴火が6回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴
石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
 また、同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を観測しまし
た。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 4日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1900
トン(前回1月17日、800トン)とやや多い状況でした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 3月3日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月 3日        11回     1回     0回
  3月 4日        10回     0回     2回
  3月 5日         7回     3回     1回
  3月 6日        20回     5回     3回
  3月 7日(15時まで)  2回     1回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、10日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>