火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第105号
平成25年12月24日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(12月20日から12月24日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、19日頃から山体の膨張
と考えられるわずかな変化が継続していましたが、23日夜から停滞し、本
日(24日)昼頃からわずかに収縮しています。
 昨年(2012年)7月24日の南岳山頂火口の噴火の前にも同様の変化
がみられており、今回も同程度の規模の、多量の噴煙を噴出する噴火が発生
する可能性があります。

 昭和火口では、23日19時32分に爆発的噴火が発生し、弾道を描いて
飛散する大きな噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達
しました。
 
 南岳山頂火口では、24日12時22分にごく小規模な噴火が発生し、噴
煙が火口縁上500mまで上がりました。

 火山性地震は21日と23日にやや多くなりましたが、それ以外は少ない
状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 12月20日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値
)は以下のとおりです。
              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 12月20日        12回    19回     0回
 12月21日        51回    22回     0回
 12月22日        35回    23回     0回
 12月23日        53回    10回     1回 
 12月24日(15時まで) 32回    13回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>