火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第44号
平成25年5月31日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(5月27日から5月31日15時)
  桜島では、活発な噴火活動が続いています。

 大隅河川国道事務所の有村観測坑道及び京都大学防災研究所のハルタ山観
測総合坑道に設置している傾斜計及び伸縮計では、27日頃から山体の膨張
と考えられるわずかな変化が継続しています。

 昭和火口では、爆発的噴火が4回発生しました。このうち30日20時2
0分の爆発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(昭和火
口より800から1300m)まで達し、ごく小規模な火砕流が昭和火口の
東約700mまで流下しました。同火口で火砕流が確認されたのは、201
3年2月23日以来です。また、同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に
見える火映を27日から28日にかけて観測しました。

 南岳山頂火口では、噴火は発生しませんでした。

 27日に実施した現地観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり340
0トン(前回20日、2100トン)と非常に多い状態でした。

 火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動が発生し
ています。

 5月27日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
             火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
 5月 27日         4回     0回     0回
 5月 28日         0回     0回     0回
 5月 29日         2回     0回     0回
 5月 30日        15回     1回     4回
 5月 31日(15時まで)  3回     0回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るおそれがあるため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、6月3日(月)16時頃に発表の予
定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>