火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第62号
平成24年7月27日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(7月23日から7月27日15時)
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、24日19時15分に爆発的噴火が発生し、多量の噴
煙が上がり、大きな噴石が4合目(南岳山頂火口より1300から1700
m)まで達しました。この噴火に先立ち、山体浅部が膨張源とみられるわず
かな地殻変動が観測され、噴火後に急激な収縮が観測されました。
 南岳山頂火口の爆発的噴火は2011年2月7日以来です。その後、南岳
山頂火口では爆発的噴火は発生していません。

 昭和火口の爆発的噴火の発生回数は、南岳山頂火口の爆発的噴火以降、や
や増加しています(20日から24日19時:8回、24日19時から27
日15時:17回)。
 26日14時21分の爆発的噴火では、やや多量の噴煙が火口縁上320
0mまで上がりました。期間中、弾道を描いて飛散する大きな噴石は4合目
(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
 また、同火口では、夜間に高感度カメラで明瞭に見える火映を時々観測し
ました。 

 24日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は1日あたり2
300トン(前回7月18日、3100トン)と多い状態でした。

 火山性地震は少ない状態です。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 7月23日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)
は以下のとおりです。
             火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  7月23日        17回     6回     1回
  7月24日        46回     1回     1回
  7月25日        19回     2回     9回
  7月26日        48回    10回     8回
  7月27日(15時まで)  6回    21回     0回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流さ
れて降るおそれがあるため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>