火山名  桜島  火山の状況に関する解説情報  第22号
平成24年3月12日16時30分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(3月9日から3月12日16時)
 昭和火口では今期間、爆発的噴火が12回発生しました。このうち本日1
5時07分の爆発的噴火では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が2合目(
昭和火口より2km付近)まで達しました。有村地区から北東へ概ね2km
付近でした。いずれの噴火でも、火砕流は発生していません。
 また、大隅河川国道事務所が有村坑道に設置している伸縮計の観測では、
山体の膨張と考えられる変化が認められました。

 今後、桜島の噴火活動は活発化する恐れがあり、火口から2kmを超えた
居住地域近くまでの範囲で大きな噴石及び火砕流に警戒が必要であることか
ら15時35分に火口周辺警報(噴火警戒レベル3,入山規制)の切り替え
を発表しました。

 南岳山頂火口では、12日にごく小規模の噴火が発生しました。

 火山性地震は少ない状態です。噴火に伴う火山性微動が発生しています。

 3月9日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数(速報値)は
以下のとおりです。
             火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月 9日        26回     3回     4回
  3月10日        31回    20回     2回
  3月11日        30回     5回     2回
  3月12日(16時まで)  9回     0回     4回

2.防災上の警戒事項等
 昭和火口及び南岳山頂火口から2kmを超えた居住地域近くまでの範囲で
は、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要で
す。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。
 降雨時には土石流に注意が必要です。

  次の火山の状況に関する解説情報は、16日(金)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>