火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第86号
平成23年7月8日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(7月4日から7月8日15時)
 霧島山(新燃岳)では、噴火の発生はありません。
 傾斜計では、3日22時頃から新燃岳側のわずかな隆起を示す変化が認め
られていましたが、4日11時34分の火山性微動発生後に沈降に転じ、隆
起以前の状態に戻りました。その後、6日00時頃から再び新燃岳側のわず
かな隆起を示す変化が認められています。
 火山性地震は、6日00時頃から多い状態が続いています。火山性微動は
時々発生しました。
 遠望観測では、5日に白色の噴煙が火口縁上200mまで上がっていまし
た。それ以外の日は天候不良のため、噴煙は観測できませんでした。

 7月4日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。
              火山性地震     爆発的噴火
7月 4日          64回        0回
7月 5日          46回        0回
7月 6日         409回        0回
7月 7日         302回        0回
7月 8日(15時まで)  162回        0回

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定
です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>