火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第61号
平成23年4月22日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(4月18日から4月22日15時)
 霧島山(新燃岳)では、18日19時22分に噴火が発生し、噴煙が火口
縁上2000mまで上がり、南東に流れました。この噴火により、大きな噴
石が約1kmまで飛散し、風に流されて降る小さな噴石(火山れき)が約9
kmまで達しました。18日に実施した聞き取り調査によると、降灰は主に
新燃岳火口から東方向に分布し、日向灘まで達しました。
 高千穂河原と湯之野観測点の傾斜計では、14日06時頃から続いていた
新燃岳側のわずかな隆起の変化は、この噴火に伴い沈降に転じ、概ね隆起変
化以前の状態に戻りました。
 
 火山性地震は、15日から多い状態が続いていましたが、20日以降減少
しました。火山性微動は期間を通して時々発生しました。 

 4月18日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
4月 18日        182回        0回
4月 19日        119回        0回
4月 20日          9回        0回
4月 21日         17回        0回     
4月 22日15時まで    41回        0回 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。また、
爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧島山上空
の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

  次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時00分頃に発表
の予定です。
  なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>