火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第48号
平成23年3月14日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況(3月11日〜3月14日15時)
 霧島山(新燃岳)では、活発な状態が続いています。
 昨日(13日)、17時45分の噴火で灰白色の噴煙が火口縁上4000
mまで上昇し、南東へ流れました。噴火はその後、18時50分まで継続し
ました。それ以降、噴火は発生していません。本日(14日)15時現在、
白色の噴煙が100m観測されています。
 気象庁の高千穂河原観測点の傾斜計では、11日03時頃から山体のわず
かな膨張を示す変化が続いていましたが、噴火に伴って山体の急激な収縮を
示す変化が認められました。それ以降は変化は認められていません。
 昨日から本日にかけて実施した降灰調査では、宮崎県高原町から都城市、
及び串間市を中心とした広い範囲で降灰を確認しています。
 火山性地震は、13日の噴火後に増加し、多い状態でした。
 
 3月11日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
3月11日           12回        0回
3月12日          122回        0回
3月13日          300回        0回
3月14日(15時まで)    44回        0回
 
2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね4kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う火砕流に警戒が必要で
す。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 
 次の火山の状況に関する解説情報は、3月18日(金)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>