火山名 阿蘇山 噴火警報(火口周辺)
平成28年12月20日14時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**

<阿蘇山に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を発表>
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う大きな噴石及び火砕流に警戒
してください。
<噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ>

**(本 文)**
1.火山活動の状況及び予報警報事項
 中岳第一火口では、10月8日の噴火以降、噴火は発生していません。
 火山性微動の振幅は、概ね小さな状態で経過しています。
 傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。また、GNS
S連続観測では、2016年7月頃から認められていた山体の膨張の可能性
が考えられるわずかな伸びの傾向が、11月中旬以降は停滞しています。
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、一日あたり2000から3000ト
ンと多い状態が続いていましたが、12月に入り減少し一日あたり1000
から1500トンとなっています。

 これらのことから、火口から1kmを超える範囲に影響を及ぼす噴火が発
生する可能性は低くなったものと考えられます。

 一方、火山ガスが12月中旬の観測でも一日あたり1500トン程度の放
出量が観測されていることから、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発
生する可能性があるため、火口から概ね1kmの範囲では、弾道を描いて飛
散する大きな噴石や火砕流に警戒してください。
 

2.対象市町村等
 以下の市町村では、火口周辺で入山規制などの警戒をしてください。
  熊本県:阿蘇市、南阿蘇村

 以下の市町村では、入山規制などの特段の警戒が必要なくなりました。
  熊本県:高森町

3.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風
に流されて降るため注意してください。また、火山ガスに注意してください
。

<噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ>

**(参考:噴火警戒レベルの説明)**
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮
          者の避難等が必要。      
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制
          等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規
制等。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)