磐梯山 有史以降の火山活動

有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)

年代 現象 活動経過・被害状況等
▲806(大同元)年 水蒸気噴火 火砕物降下。噴火場所は大磐梯山頂東方旧火口。
1643(寛永20)年 鳴動?  
1655(明暦元)年 鳴動?  
1719(享保4)年頃 噴火?  
1787(天明7)年頃 噴火?  
▲1888(明治21)年 中規模:水蒸気噴火、(山体崩壊、泥流) 7月15日。低温の火砕サージ→岩屑なだれ→火砕物降下・泥流。噴火場所は大磐梯山頂北方。
数日前から弱い地震。7:00頃鳴動始まり、7:30頃から強い地震が3回発生。7:45頃大音響とともに爆発、短時間に爆発が15~20回反復して小磐梯山の大半を崩壊させた。 同時に琵琶沢沿いに疾風(火砕サージ)と土石流が発生し、南東山麓の村を破壊した。爆発音が50~100kmまで聞こえ、降灰は太平洋岸に達した。 火口は北に向いてU字形に開き、東西約2.2km、南北2kmで堆積物総量は1.5×109m3。大規模な岩屑なだれ(45~77km/時)を生じて山麓の5村11集落を埋没し、死者461名(477名とも)。 家屋山林耕地の被害大きく、桧原湖などが生じた。この後に土石流(火山泥流)が数多く発生した。(VEI2)
1897(明治30)年 鳴動 7月5~8日。
1938(昭和13)年 山崩れ 5月9、15日。崩壊は延長約3km、面積2.3×105m2以上。両日の被害合計は死者2名、負傷者5名、流失及び半壊家屋4棟。
1954(昭和29)年 山崩れ 4月3、6、7、22、24、25、29日、5月5日。数回にわたり1888年の爆裂火口壁が崩壊。
地震 7月1~5日。
1987(昭和62)年 地震 6月。最大M4.5。猪苗代湖西岸付近を震源とする地震群発。
6月16日から月末、若松有感14回。11月8日同様の場所で地震多発、若松震度4、M4.3。
1988(昭和63)年 地震 11~12月。磐梯山山頂沼ノ平付近を震源とする地震群発(最大M1.4)。
2000(平成12)年 地震 4月下旬以降、山頂付近の地震活動が活発化し、5月10日に観測開始(1965年)以来始めて火山性微動発生。5月21日に(M1.9)、8月には地震回数が激増。8月15日に(M2.1とM2.4)の地震が発生し、それぞれ猪苗代町城南で震度1を観測。その後も山頂付近の浅いところを震源とする低周波地震、超長周期地震、深部低周波地震、火山性微動がたびたび発生。 地震活動に対応した有意な地殻変動は観測されず、表面現象に変化は認められなかった。
2001(平成13)年 地震 地震活動やや活発。山頂付近の浅いところを震源とする低周波地震、超長周期地震、深部低周波地震、火山性微動も引き続き発生。5月以降は地震活動も低下した。
2009(平成21)年 地震 5月10日、9月19日。地震活動やや活発。4~6月には振幅が小さく継続時間が短い火山性微動も発生した。
2014(平成26)年 地震 8月24日。山頂付近で火山性地震一時的に増加。
2016(平成28)年 地震 6月10日。山頂付近で火山性地震一時的に増加。
2017(平成29)年 地震 8月27日。山頂付近で火山性地震一時的に増加。
2018(平成30)年 地震 5月8~9日。磐梯山山頂付近で火山性地震一時的に増加。
2020(令和2)年 地震 2月12日。山頂付近で火山性地震一時的に増加。

日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)による。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。



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