栗駒山[くりこまやま] Kurikomayama【常時観測火山】
北緯38°57′39″ 東経140°47′18″ 標高1,626m (栗駒山)(三角点・酢川岳) |
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![]() 栗駒山全景 宮城県側から 2002年4月30日 藤田浩司撮影 |
概要
安山岩の成層火山。 外輪山は南側だけが残存し、その東端が最高峰の大日岳である。 剣岳は平坦な溶岩ドームで、噴気活動が盛んである。 火山体を形成している噴出物から得られた最新の年代分析値は、約11万年前である。 これより新しい溶岩ドームは、数万年以内に噴出した可能性がある。 安山岩のSiO2量は55.4~57.9 wt.% である。
有史以降の活動は、爆裂火口内での噴火、泥土噴出など。 周辺では地震活動が活発である。
別名、須川岳、大日岳。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
1万年以内の噴火活動に関する、詳細な年代分析値は報告されていない。山頂付近や山頂の北側斜面に分布する表土(クロボク)中に堆積している火山灰の分析では、915年(十和田a火山灰)以降に、少なくとも2回(1944年の小噴火を含む)の水蒸気爆発が起き、約5400年前(十和田-中掫(ちゅうせり)火山灰)から915年の間にも、少なくとも2回の水蒸気爆発が起こっている。水蒸気爆発の発生地点は、山頂北斜面の東部(産沼付近)、中部、西部(1944年昭和湖火口付近)の3地区ほかにあり、これらの地区は幅約750mで東北東-南南西方向の地帯にある。火口の数は計47個が確認されている。一部の水蒸気爆発の火口は、大規模な地すべりの主滑落崖にそって配列しており、地すべりの発生と同時に爆発が起ったと考えられている。近年、昭和湖周辺では火山ガスによるとみられる枯死が拡大した。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 栗駒山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、監視カメラを設置し、関係機関協力の下、栗駒山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 栗駒山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 栗駒山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。