気象庁ロゴ阿蘇山火山防災連絡事務所 草千里

気象庁公式マスコット”はれるん”過去の火山活動

1979年の火山活動1979年の火山活動

1979年4月10日 火口底全面に湯だまり。火山活動は比較的穏やかだった。

1979年6月12日 火口底から土砂噴出。最大約150mまで土砂を噴き上げた。

1979年8月2日 赤熱した噴石を噴き上げるストロンボリ式噴火。写真は測候所より撮影した。

1979年9月6日 13時6分の爆発的噴火に伴う噴煙。写真は測候所より撮影した。

1979年9月18日 9月6日の爆発的噴火後、火口周辺を調査。約4.6×2.6×2.6(m)の巨大噴石を発見した。

1979年12月16日 火口より噴煙。噴煙の色は一時に比べて白くなり、噴煙量も少なくなった。

 1979年(昭和54年)の阿蘇中岳第一火口の火山活動は1月から5月までは火口底のほぼ全面に湯だまりが存在し、 比較的穏やかであった。

 しかし6月に入ると湯だまりの土砂噴出現象が活発化し、11日には火山性微動の振幅が増大、 12日には人身大の噴石を火口縁まで飛ばすようになったが、火山性微動の振幅が急激に減少した。
 13日になると、火口底の湯だまりは消失、土砂噴出は確認できなくなり、さらに火山性微動の振幅が減少した。 そして同日15時10分に規模の大きい噴火が起こった。 火口からは黒煙を1500m~2000m、噴石を火口縁上400mまで上げた。 この時、火口底に地下の高温部へとつながる大きな孔(火孔)が形成された。

 その後、噴火活動は継続し、赤熱した噴石を放出するストロンボリ式の噴火も観測されるようになった。 その状態のまま、7月、8月も推移し、途中、火映現象や火山雷も観測された。

 しかし台風11号の影響で8月26日と27日に合計161.0mmの降水があり、台風12号の影響で9月3日と4日に合計126.5mmの降水があった。 そのため火口底の火孔が流れ込んだ土砂で完全に埋まり、火山性微動は8月27日から振幅が小さな状態が続いた。

 火山活動は一時的に穏やかになったかのように見えたその時、9月6日に爆発的噴火が起こった。火口の北東側に多量の噴石を放出、立ち入り規制区域外にいた観光客が被災し、 死者3名、重症2名、軽症9名をだす大惨事となった。その後の調査で火口周辺で多くの噴石跡が見つかり、 約4.6×2.6×2.6(m)の巨大噴石も見つかった。

 この爆発後も火山活動は活発で、降灰や噴石が続いたが、12月中旬以降は次第に火山活動は穏やかになった。 翌年1月26日に噴火活動があったものの、この噴火を最後にしばらく続いていた活発な火山活動は沈静化していった。