過去の経緯(東海地震に関連する情報等)

過去の経緯(東海地震に関連する情報等)

 気象庁では、平成29年11月1日から「南海トラフ地震に関連する情報」の運用を開始しました。これに伴い、現在、東海地震のみに着目した「東海地震に関連する情報」の発表は行っていません。

 ここでは、これまで発表してきた「東海地震に関連する情報」等について解説します。

 「東海地震」は、駿河湾から静岡県の内陸部を想定震源域とするマグニチュード8クラスの大規模地震で、震源域の固着した領域の一部が地震発生前にゆっくりとすべり始める「前兆すべり」を捉えることで確度高く地震の発生を予測することができる、と考えられてきました。気象庁は、関係機関の協力を得て、東海地域とその周辺の地震活動と地殻変動を24時間体制で監視し、観測データに通常とは異なる変化が観測された場合に、東海地震に結びつくかどうかを調査し、その結果を「東海地震に関連する情報」として発表してきました。

 「東海地震に関連する情報」には、異常の発生状況に応じ、「東海地震に関連する調査情報」、「東海地震注意情報」、「東海地震予知情報」の3種類があり、各情報が意味する状況の危険度を表わす指標として赤・黄・青の「カラーレベル」を示すこととしてきました。

東海地震に関連する情報等のこれまでの変遷

昭和54年8月7日~平成10年12月15日

 昭和54年8月7日、東海地震に係る地震防災対策強化地域が指定されました。これに伴い同日付けで地震防災対策強化地域判定会(以下、判定会)が気象庁にて発足するとともに、東海地域の観測データの常時監視、判定会の招集・開催、判定結果に基づく地震予知情報の内閣総理大臣への報告などの業務が気象庁により法的な位置付けをもって行われることになりました。

 地震予知情報は気象庁長官から内閣総理大臣へ報告する情報ですのでこの内容を一般及び関係機関の利用に供するために、また、警戒宣言後の地震・地殻活動の状況や推移等をお知らせするために、大規模地震関連情報を発表することにしました。また、関係機関等の防災対応に資するために、判定会招集連絡報を関係機関、気象官署及び報道機関に通報することにしました。

大規模地震関連情報
地震予知情報に係る技術的事項の解説や警戒宣言後の地震・地殻活動の状況等の観測成果について、一般及び関係機関の利用に供するために発表する情報
判定会招集連絡報
判定会が招集された事実とその時刻、招集に至った異常現象の状況を関係機関等に連絡する通報

平成10年12月16日~平成16年1月4日

 (当時の基準により)判定会を招集して東海地震の発生につながるか否かの技術的検討を行うには至らないが、東海地震発生に対する関心の高さを鑑みて、観測データに何らかの変化が現れたときに観測事実とその評価等の結果を、解説情報、観測情報に区分した「東海地域の地震・地殻活動に関する情報」として発表することにしました。

大規模地震関連情報
地震予知情報に係る技術的事項の解説や警戒宣言後の地震・地殻活動の状況等の観測成果について、一般及び関係機関の利用に供するために発表する情報。
判定会招集連絡報
判定会が招集された事実とその時刻、招集に至った異常現象の状況を関係機関等に連絡する通報。平成12年6月1日からは、判定会の招集に至った異常現象の状況については、判定会招集連絡報で解説するのではなく大規模地震関連情報として発表。
観測情報
観測データの推移を見守らなければその原因等の評価が行えない現象が発生した場合にその事実を発表する情報
解説情報
東海地震の前兆現象とは直接関係しないと判断した現象及び長期的な視点から評価・解析した地震・地殻活動等に関する情報

平成16年1月5日~平成23年3月23日

 平成15年に中央防災会議がとりまとめた東海地震対策大綱を踏まえ、近年の科学的な知見により、 前兆すべり(プレスリップ)による変化に沿った現象が観測されている場合には、警戒宣言よりも ある程度前に今後の推移について説明可能な段階が設定できると考えられたことから、 従来、判定会招集連絡報の前後で2つの情報体系に大別していたものを、以下の3段階の情報体系に改めました。

 これにより、従来、判定会招集連絡報でお知らせすることとしていた判定会の開催については、東海地震注意情報でお知らせすることにしました。

東海地震予知情報
東海地震の発生のおそれがあると認められ、警戒宣言が発せられた場合に発表する情報(従前の大規模地震関連情報に対応)。
東海地震注意情報
観測された現象が東海地震の前兆現象である可能性が高まったと認められた場合に発表する情報(従前の観測情報のうち、前兆現象の可能性が高まった場合に発表するものに対応)。
東海地震観測情報
観測された現象が東海地震の前兆現象であると直ちに判断できない場合や発生した地震が東海地震に直ちに結びつくものではないと判断した場合に発表する情報(従前の解説情報及び観測情報の低レベルのものに対応)。

平成23年3月24日~平成29年10月31日

 「東海地震観測情報」を「東海地震に関連する調査情報(臨時)」に名称変更するとともに、 従来は報道発表のみだった定例の地震防災対策強化地域判定会の調査結果を「東海地震に関連する調査情報(定例)」として発表することにしました。

 また、各情報の危険度に応じ、赤・黄・青のカラーレベルを情報文に示すことにしました。

 さらに、平成23年1月25日から判定会委員打合せ会を区別せずに判定会の名称に統一したことなどから、判定会の開催については、東海地震に関連する調査情報(臨時)でお知らせすることになりました。

東海地震予知情報
東海地震が発生するおそれがあると認められ、警戒宣言が発せられた場合に発表される情報です。 東海地震が発生するおそれがあると判断した観測データの状況等、科学的根拠について発表します。
この情報で示されるカラーレベルは、「赤」です。
東海地震注意情報
観測された現象が東海地震の前兆現象である可能性が高まった場合に発表される情報です。
この情報で示されるカラーレベルは、「黄」です。
東海地震に関連する調査情報(臨時)
観測データに通常とは異なる変化が観測された場合に発表される情報です。 その変化の原因についての調査の状況を発表します(従前の東海地震観測情報に対応)。
この情報で示されるカラーレベルは、「青」です。
東海地震に関連する調査情報(定例)
毎月の定例の地震防災対策強化地域判定会で評価した調査結果を発表します。
この情報で示されるカラーレベルは、「青」です。

東海地震に関連する情報の変遷の一覧表

東海地震に関連する情報の変遷の一覧表

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